森暮らし

大人だって好きなことを楽しみたい

田舎暮らしを始めてから、車が滅多にこない道路で子ども達がキャーキャー遊ぶ姿を見ては嬉しく感じる。都市では見られなかった日常の光景。そんなことを夫と話していると、「ここでは大人も好きなことを伸び伸び楽しめてるよね」と。

そういえば休日は、近所でロックバンドを組むおじさん達の演奏が聞こえてくる。ガラージを解放して大音量のテクノを流しながらウエイトトレーニングをする若者達の「やー!」という叫び声も聞こえてくる。庭でクラシックを流しながらガーデニングをするおばあさんもいる。

とにかく家の中ではなく外にスピーカーを置いて音楽を流したいらしく、近所も音に関しては寛大。田舎は静かに暮らしたい家庭が多いと思っていて、私もそれを望んでいたから、最初はこの迷惑とも感じる音量にいい気持ちはしなかった。

夫に言うと「いいんじゃない?休日だし数時間だけだし自分の敷地内で好きなことしてるんだから。僕この音楽好きだよ」と。ちょっと驚いたし感動もした。

私は人に迷惑をかけるなと繰り返し教えられて育ったせいか、自分のすることなすことが周りの迷惑にならないか考えるクセがある。特に音に関しては。だから周りのすることなすことを迷惑に感じ取ってしまうこともある。ここでは誰も気にしてないレベルらしいんだけど。

神経質になりすぎてお互いの好きなことを制限し合うのではなく、お互いが好きなことして人生を楽しむ姿を嬉しく思い合う方がいいな、と感じるようになった。そういう心を持ちたいと教えられた田舎暮らし。