日本の教育と心の健康

アメリカ人に聞かれた、困っていそうな日本人に「大丈夫ですか?」はタブー?

日本語を勉強している子に「大丈夫ですか?って使っちゃダメな言葉なんでしょ?」と聞かれた。どういう意味か聞き返すと、助けが必要に見える人への声かけだそうだ。

日本人は体調が悪くても困っていても「大丈夫ですか?」と聞かれれば反射的に「大丈夫です」と答える。人に迷惑をかけたくないから必要な助けでも退けてしまう。大丈夫ですか?は日本人に負担になる言葉だから別の聞き方をしなければダメ、という日本人あるあるをYouTubeで見たらしい。そして自分が助けてもらう側になったら「ありがとうございました」と感謝を伝えるよりは「ご迷惑をおかけしました」と謝るのが日本の正しいマナーなんだと。

どうしましたか?何か手伝えることはありますか?のような言い換えがあるのは私もなんとなく知ってたけれど、だからといって「大丈夫ですか?」がダメとは思わない。思いやりのある優しい言葉だと思っている。

たとえ心ではそう思っていても、もし自分が道端で「大丈夫ですか?」と突然聞かれた場合、手を貸してもらったら本当は嬉しい時でも「あっ大丈夫です」と慌てながらにこやかに伝えている自分も半分想像できる。助けてもらったら「すいません」と素早くにこやかに謝っている自分も半分想像できる。考えるよりも先に、反射的に口走っていると思う。

でも私は、せっかく声をかけてくれた側が別の聞き方をしてくれていれば…とは思えないな。わざと人に負担をかけたくて声をかける人なんていない。声かける方も勇気がいる。思いやりを受け取りたいのに、素直に受け取れなかった自分にもどかしく感じる。

優しさの声かけまでもが、あれもダメこれもダメと決まりが作られていって、しまいには校則みたいに使用禁止になったり、大丈夫ですか?と手を差し伸べようとしてくれた人が言葉知らずのように思われてしまう社会にはなってほしくない。トラブルを恐れるあまり、声をかけずに何もしない方がよい気持ちになってしまう。

実際に「大丈夫ですか?」と聞かれて、思うように自分の気持ちが伝えられない人はいるだろうから、そんな時は臨機応変にコミュニケーションを取りたいとは思っている。その子にもそう教えていきたい。

何か困ったことがあったら、私は自分から周囲に声をかけていきたい。「大丈夫ですか?」と聞かれたら、自分の状況や必要なことを言葉で伝えられる人でありたい。人から優しさを向けられた時、優しさに気づき、思いやりを受け取れる心を持っていたい。

感謝の気持ちを伝えることも忘れずに。

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