夫婦円満のヒント

メディアの作りあげた理想の家族像を叶えるため

夫のアスペルガーが分かる前、一緒に恋愛映画を観ていた時のこと。クライマックスにさしかかる。雷が鳴る土砂降りの中、ずぶ濡れになった男女がキスをするシーンで突然夫が「わははー!」と爆笑して感動が台無しになったことがある。私は混乱&激怒。

夫の理由は「なんでこんな嵐の中で呑気にキスしてんの?」だそうだ(笑) 確かにそうなんだけど、あの時は夫のちょっと違う視点や笑いのツボが全然分からなかった。恋愛映画を一緒に観るたびに夫の態度に怒っていた覚えがある。

今思うと私の恋愛観ってマスメディアに影響されてきた。でも現実恋愛は夜の噴水の前でクルクル回りながらキスはしないし、雑誌に紹介されてる理想のデートプランも誰の理想?だし、彼女が喜ぶ誕プレ特集も誰の好み?だし、歩道橋の上から愛の言葉も叫ばない。嵐の中でキスなんてのもない。寒い。

でもそういう特集やシーンをみるたびに私は目がハートになるんだけど、夫は隣で爆笑してる。冷静に考えると、現実と作られた世界のドラマチックな恋愛は違うから夫の笑いが理解できなくもない。確かにコミカルに感じる。

ただ真っ直ぐに静かに愛してきてくれた夫に物足りなさを感じていたのは、メディアの理想や恋愛モノに影響されてきた非現実的な恋愛観を持ってたのもあるんだろう。今は回り回って、夫が私の人生にいつまでも健康に存在してくれればいい、なんて思っている。

家族のあり方もマスメディアに影響されてきたなと思う。私の父は忙しい人で不在がちだったから、朝晩家族で食卓を囲む家庭に憧れていた。ドラマでそういうシーンが出てくるといいなーって思ってて、画面の中の幸せそうな家族像と自分の家族を比べて少しずついろんな願望が増えていったんだと思う。

そして結婚していざ自分が家族を作る番になり、そのメディアの作りあげた理想の家族像を叶えるために何をするかというと、夫に台本を渡して厳しい演技指導をする。できないと怒る。私も素敵な奥さんや頼れる母ちゃん役になろうと頑張る。そういうことだったのよね。うまくいかなかった原因の一つって。