皆さんの体験談

僕と同じように不登校の子が、学校に短時間だけ登校してみようと頑張るのはなぜですか?

今日はTwitter 雷神さん 息子さんの疑問を取り上げます。

雷神さん

息子は17歳、アスペルガー症候群です。担任の無理解から不登校になり、引きこもりを経験しました。現在は通信制高校在籍していますが思うように通えていません。そんな息子が知りたいことがあるそうです。

雷神息子さん

僕と同じように不登校の子が、学校に短時間だけ登校してみようと頑張るのはなぜですか?

将来の不安感? みんなと同じようにしないと心配だから? 家にいても暇だから? 友達と過ごしたいから? 何となく?

しんどかったり、不安だったりする中でも頑張って学校に行こうとする意味が分からないです。

僕は無理して頑張る必要はないと思っています。自分らしく過ごせない場所には行く必要がないし、そこで何が得られるのか知りたいです。

我慢した先にあるものは何ですか?

Alan

とても良い質問ですね。答えるのが簡単ではないからです。他のお子さん達がなぜ不登校になったのか理由は分からないのですが、僕が社会で経験してきたことを元に話そうと思います。

発達障害の子が学校に行くメリット

僕の経験から「発達障害の子が学校に行くメリット」があり、デメリットよりも大きいです。

学校で学ぶ一番大切なことは「社会性を身につけるため」です。

自分と同い年の子達と交流することで、他人と打ち解けて一緒に過ごせるような振る舞い、会話対話を身につけ、人間関係を学んでいくのです。人と過ごす時間を楽しめるように。

人は生まれた時からそう育ってきました。赤ちゃんの時、保育園、幼稚園、小学校と、常に同い年の子達と交流し、そこから一緒に学び合い育ってきたのです。そこで自分を築いていきます。

学校が苦痛でも無理していくべきだという意味ではないです。合わない環境へ行くことを強制はできません。その代わり環境を変えて、人と効果的な交流ができる別の場所に属する必要はあると思います。

「家族」という組織以外の人々と話す機会は持った方が良いです。若いうちに、自分とは違った価値観や考えを持った人と交流する機会は多く持った方がいいと思います。たくさん失敗し、そこからたくさん学ぶことは、柔軟性のある若い時の方が良いのです。ありのままの自分を認めてくれる人達と出会えて交流を深めていくこともできますから。

Sakura

アメリカのホームステイ先の息子さんは学校には通わずにホームスクーリングをしている子でした。ご家族は、息子さんに社会性を身につけさせるために社会体験から学習させていました↓

http://www.alanandsakura.com/tree-house/

社会性を学ぶ大切さ

正直、僕は学校では積極的に誰かと交流をする生徒ではありませんでしたが、自分らしく過ごせる場所は他にもありました。僕が学校以外で属していた場所は、チェスクラブ、コンピューター教室、アルバイトです。

みんなが同じことをして同じ道を通っていることに理解できないことがあったら、僕はいつも別のやり方でより良い方法を見つけていました。みんなが通っている道が自分に合わない時は、同じ道に続く必要はありません。自分の道を見つけた方がいいです。

しかし現代、社会の外で生きていくことは難しいです。自分が通っていない道を歩んでいる子達と、将来社会のどこかで再会することはあると思います。同僚になるかもしれないし、取引先の人になるかもしれないし、友達になるかもしれないし、大切にしたいと感じる人かもしれない。そんな時、人との関わり合い方を知っていることは大切になってきます。

合わない人に適応できるようになる関わり方ではなくて、合わない人とでもなんとなくやり過ごせるスキルです。

自分の意見があったら、
人に分かりやすく伝わるような言葉で伝えるスキル。

自分の強みや弱みを知っているなら、
人を引きつけ影響を与えられるスキル。

相手が話している時に聞く姿勢、
コメントを挟む間、対話や会話のテンポを学ぶこと、も役立ちます。

発達障害の人でも、トライアル・アンド・エラーをしながら何かを学んでいくので社会性は重要です。

今の時代はコロナが広まり、学校に行けない子ども達がたくさんいます。大切な成長期に子ども同士の交流が乏しいまま育った子ども達が、10代20代になった時の社会問題が取り上げられていますよね。

学校やその代わりになる場所での人との交流は、社会で生きていくための準備期間になるのです。社会にはネガティブな面もありますが、ポジティブな要素もたくさんあり、そこから学べるのです。

できない理由を探すより、できる理由を探せるか

僕は結婚してから発達障害と診断されたので、学生時代は自分が発達障害だとは知りませんでした。両親も知らなかったので、周りの子ども達と同じように僕をどんどん外へ出してくれました。いろんなコミュニティやイベントに参加させてくれました。

もちろん、人間関係で失敗をして悩み苦しんだこともあったけれど、そこから僕なりに改善点や自分に合う環境を学んでいきました。なので現在の仕事では、人前で心地よく話せるように、人数の少ないチームを選んでいます。人々と意見を交わしながら一緒に仕事を進められています。

逆にもし僕が幼少期にずっと守られている環境で育ったとしたら、社会に消極的な人間になっていたと思います。自らを社会のコミュニティから離れさせて、自ら孤独を作ってしまうのです。でも自分が選択した結果に必ずしも満足はしないと思います。

うまくいかない社会のコミュニティから自分自身を離脱させてストレスが減ると思いきや、今度は自分一人だけの孤独な社会に苦しんでしまうのです。

自分自身に問う大切な質問があります。

いつも誰かのせいにして社会に不満を持つ人間でいたいのか。

自分にできることを探し、生産し利益を得て生活していきたいのか。

自分が苦手なことに集中するより、自分にできる何かを探せるか。

できない理由を探すより、できる理由を探せるか。

僕は、発達障害の子ども達にできるだけ多くの経験をさせることで、より多くの機会が与えられ、最終的に自由な生き方の選択肢が増えると信じています。

僕達の愛犬について

子犬の例を挙げます。

僕達は犬を飼っているのですが、子犬の頃に子犬教室に通わせていました。社会性を吸収するのに最適な年齢というのがあり、生後2~4ヶ月くらいから始めるといいと言われています。その時期が過ぎてしまうと自我が育っているので、難しくなってしまいます。

子犬同士で遊ばせて、喧嘩をしてマナーや振る舞いを学んでいくことで、成犬になってからの問題行動の予防に役立ちます。子犬の頃からたくさん外に連れ出して様々な経験をさせておかないと、成犬になった時に社会の様々なことに怖がってしまうのです。

ドッグランに行くと、他の犬にすぐに噛み付く犬や、ずっと吠えている犬、飼い主さんの後ろに隠れてぶるぶる震えていて、他の犬とうまく遊べない犬がいます。その横で、大きさや犬種の違いに関わらずに、お互いに手加減しながらじゃれあい楽しく遊べている犬達がいます。

犬は演技をせずに気持ちをストレートに表してくるのでとても分かりやすいです。自分達が今までどうやって育ってきたか、飼い主にどう育てられたのか、体全体の表現で分かってしまうのです。

過去に人間や他の犬を恐れるキッカケになった経験をしたことから、犬社会に馴染めない犬達もいます。だからそこは犬と信頼関係を築きながら、心のケアをしていき少しずつ環境に慣れさせます。人間も同じですよね。

ちなみに子犬教室の初日に「子犬のしつけのためではなく、飼い主のしつけのための教室です」とスタッフから言われました。子を育てるには、最初に親を教育しなければいけない、という意味ですね。

学校を卒業できなかった友達

僕が大人になってからアスペルガー症候群だと分かった後に、僕の友達も発達障害で特にADHDが強めだと気づきました。彼は学ぶことへの問題があり、最後は中退をしました。

でも彼の家族はとにかく学校を卒業させることに力を注いでしまいました。大人のエゴで、決められた学校に行き卒業することをゴールにされてしまい、彼は苦しんだと思います。

それだけが原因だとは思いませんが、そう育った彼は、大人になってから自立をして社会生活を送ることが困難な状態です。やりたいことも分からずに、何の仕事をするにも続きません。

彼が成長するにつれトラブルが増えていきました。物事の責任を果たすことができない時があるのです。一生懸命頑張った時でさえ、努力不足だと判断されてしまうのです。 彼は自分の失敗や間違いを嘘をついてまで必死に隠そうとし、周囲に更なる誤解を招いていました。

子の気持ちや意思を無視し続け、親の理想や期待を叶えさせようすると、子を苦しめることになるのです。

親の心のケアも大切

もし自分の子どもが学校に行きたくないと悩んでいたら、「メンタルヘルス=心のケア」に真剣に向き合ってあげて欲しいと思います。何かあったら気持ちを否定せずに聞いてあげる存在は、家庭に必ず必要です。

今ある全てを失ったとしても、自分のことを気にかけてくれる人が一人でもいれば子どもは安心します。それが心の安定になり、みんなとは違う道を歩むことへの勇気と自信に繋がります。

そして、親自身も悩みやストレスを抱えて孤独になってしまうのを避けるために、カウンセリングなどでご自身の心のケアをすることが大切だと思います。

しかし、両親や祖父母の世代の立場になると、自分が高校や大学に行けなかったために、子どもには卒業してほしいと願う気持ちも分かります。現代社会における教育の利点を見てきたからです。

教育だけの面を見てしまうのは良くないのですが、目指す職業により学歴は重視されることも事実です。もし就職のために面接を受けたいとなると、どんなに能力を秘めていても、大卒が最低ラインの企業は多いです。

でも、自分に合う環境の会社を探すのではなく、作っていくことも可能です。自分が社長になれば学歴なんて関係ありません。あなたの仕事の能力と人と関わる能力が大切です。

シリコンバレーには、学校中退を経験した社長が経営するスタートアップや大企業がたくさんあります。学校に適応できないということは、そのまま社会に適応できないという意味ではないのです。

生きづらい日本からアメリカへ移住した日本人家族

日本の教育や社会のあり方が、子どもや大人を生きづらくさせてしまっているとも感じました。

シリコンバレーに住んでいた頃、日本人ご家族にたくさん出会いました。その中には、日本の学校や職場が苦しくてアメリカ移住をしてきたご家族もいました。

日本の学校は意味不明な校則がたくさんあるらしく、教育者により子どもの気持ちや個性が無視されてしまうことがあるそうです。自分の考えを育て、意見を交換し合うアメリカの教育は魅力的だと言っていました。

僕は日本でエンジニアとして働いていたことがあるのですが、 当時の日本社会に問題を感じたことはありませんでした。 僕にとって日本人とは礼儀正しく親切で、日本の社会はすべてがスムーズに正確に機能しているように見えました。 僕は何ヵ国か住んできたので他国と日本の違いがすぐに分かりました。僕は日本がとても好きになりました。

しかし、確かに違和感を感じた記憶もあります。オフィスではみんなが22時過ぎまで残業をしていました。平日の何日かは仕事の付き合いで飲みに行く人もいるので、翌日の朝方まで仕事の延長が続くのです。家族がいて夫や父親の立場である場合、子どもがいる家庭はどうなっているのかなと不思議に思いました。僕の働いていたオフィスはみんな男性でしたから。

残業を誰かに強制させられているのではなく、皆がそうしていれば自分の意思に関係なくそうするのです。仕事の量が特別多かったわけでもないです。同調圧力が強かったです。不健康な環境なのに意見して改善しようとする人はいません。不満を感じながらもただ黙って自ら従っている姿に矛盾を感じました。

世界でも日本人は真面目で働き者というイメージがありますが、その裏で犠牲にしている大切なものがあるはずです。仕事以外の自分の時間や家族との時間。身体とメンタルヘルスをケアする意識。

現在の学校や職場は以前よりも過ごしやすくなってきているのかな。
そう願います。

日本の外には広い世界がある

日本は海に囲まれたとっても小さな島国ですよね。

だから他国からの刺激が入りにくくて、昔から固定されている価値観や常識がたくさんあると思います。自国の文化に合わないと気づくことは良いことだと思います。

違いある人々が安全に生活できる広い大陸が、日本の外にも広がっていることは知っておいて下さい。小さな世界で悩まなくてもいいのです。様々な人種、国籍、肌の色、母国語の人々が暮らしているアメリカにいるとそう思います。

完璧な生活はありませんが機能はしています。

自分の能力を自覚して社会で活かせるか

息子さんは、政治や世界情勢に興味があるそうですね。僕も同じです。僕が子どもの時、父親は政治やニュースについて毎日話していました。僕が政治に深く関心を持ったのも父親の影響です。

学校でも休み時間に政治についてクラスメートに向けて質問していました。自分の意見を投げかけて討論するのが好きでした。「僕は今の政治についてこう思うけれど、みんなはどう思う?賛成?反対?なぜ?」って。批判的思考が育まれる教育環境で育ったのは幸運でした。

日本は政治など難しいトピックについて学校で討論する機会があまりないそうですね。自国の社会を知り意見を述べることは大切なことだと思います。息子さんが自分の意見を述べられる仲間やコミュニティを見つけられるといいなと思っています。

もう1つ。自分がどんなスキルを持っているのかを知ることがとても重要です。特に発達障害の人は。あなたのスキルはあなたの特別な能力のコレクションです。 発達障害の僕はいつも特別な興味を持っていました。 特別な興味とは、堪能なスキルを持つようになるまで、練習に夢中になっていたことです。 僕のスキルはこのように磨かれていきました。

あなたが政治にとても興味があるのなら、そのスキルは活かせます。

秘訣を話すと、興味のあることが更に2つあって、3つ全てを合わせると最強だと思います。

例えば自分の好きなことが「ゲーム、アニメ、プログラミング」だとすると、それらの力を合わせてゲームクリエイターになれます。

妻の好きなことは「英語、絵を描くこと、子どもの教育」なのでアメリカで子どもの絵本出版に関わっています。

僕の友達好きなことは「車、旅、動画編集」なので、旅をメインにしたブロガー&YouTuberとして活躍しています。

誰もが才能を持っていても、それを自覚している人は少なく、社会で活かせる人は更に少なくなります。才能を社会のどこに活かせるかの方向と場所が定まれば、やりたいことは少しずつ見えてくると思います。

妻は、「好きなこと+英語」を身につけておくことで、大人になってから自分が生きられる社会は世界にまで広がると言っています。

不可能を可能にする能力

親はしばし、子どもにこうアドバイスをしたくなるのです。「学校に行かないでどうするの、そんなんで社会に行ったらやってけない」とか。でもそれは、学歴なしでも別のやり方で人々が成功してきた例を知らないからだと思います。

昔の人達は、教育が社会のはしごを登る唯一の方法だと信じていました。だから子どもに自分が経験してこなかった未知のチェレンジをさせる不安より、学校卒業後に就職という知っている方の安定を選ばせたいのです。

両親の育った環境や価値観は僕のものとは違います。また、僕の僕達の育った環境や価値観と子どものものは違います。別の時代の価値観が、現代社会に合うとは限りません。だから若者には、息子さんには、チャレンジをしていって欲しいなと思います。

息子さんの気持ちが書かれたツイートをいくつか拝見したのですが、自分の意見をしっかり持ち批判的思考ができ、学校や世の中に鋭い疑問を抱き、考え抜いて答えを見つけようとする姿勢に感心します。みんながみんな、彼のような能力は持っていません。能力は生まれつきのものではなく成長するもの。今まで感情面で苦しいこともたくさんあったと思いますが、それ以上にたくさん努力してきたのだと思います。

息子さんには学びたい分野があるそうですね。目標や目的があることはいいことです。そのためには何をする必要があるのかを考えられますから。自分に合う方法で、本当に好きなことを追い求めて下さい。

人との違いは自分の強み。

そう信じて前を見るのも、思わなくて下を向くのも、
自分次第です。

でも、行動してほしい。

人々が不可能だと思っていることを可能にできるのは、
自分だけだから。