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母 青木さやかさん

本当にほしかった母の絶対的な愛情。その強い願いを持ち続けることは、なぜ人生に困難の壁を築き続けてしまうのだろうか。

青木さやかさんの本、母。心の内をありのままにさらけ出す内容に共感するだけでなく、表現力の素晴らしさにも驚いた。

母の理想に子どもを寄せようとすることは、母と同じ苦しさを子どもに与えてしまうこと。でもその母もまた、幼少期に同じ固定観念で育てられたのだろう。そして大人になり、寂しさや辛さが何か分からずに苦しむ時があったはず。青木さんのように、その苦しさの正体に気づいた世代が、次の世代に繰り返さないように自分の生き方を変えていく。子育てに不安を感じる時はたくさんあるだろうけれど、でもそれは、自分の心に真正面から向き合っているからこそだと思う。

青木さんは離婚をしている。夫婦関係を振り返った時の「北風と太陽」の例えに深く頷かされた。私達にも、お互いを理解してほしい気持ちが強くあるのに、逆に心を強く閉じる結果になった時期がある。仲良くしたいのに相手に見せる顔は怒っていた。本音を出せないように生かされてきたんだと思う。そしてそんな傷ついた私に気づいてくれてポカポカあたためてくれる相手を心から求めていたんだと思う。

人の悩みは尽きないけれど、自分の人生をどう生きるかは自分が決められる。だから自分の人生でなにを一番大切にしたいのか。

私も、誰かを否定して自分を肯定する生き方は、もう絶対にしたくない。私は私を肯定しながら、私の大事な家族と笑顔で暮らしていきたい。