皆さんの体験談

旦那さんの暴力で離婚した友達に向き合う

夫婦間のDV。加害者を悪にして排除し被害者を守るだけでは解決しない。それぞれの心をケアをし、人生をやり直す機会を与えてあげることも大切。

昔、私がアメリカから送った「今すぐ逃げて!」というLINEがキッカケで、旦那さんのDVから逃げた日本の友達がいる。赤ちゃんを連れて母子生活支援施設に入った。

友達は最初それを暴力だと認識していなくて、何気ない会話で私が「暴力受けてるの!?」と驚いて初めて「え?」となった。頭ゲンコツされたり殴られたり、妊娠中に腹キックもされてた。「お前バカじゃねえの?役に立たねえな」と言葉の暴力もあるそうだ。

私以外には母に話したことはあるそうだが「赤ちゃん生まれたばっかだしもう少し辛抱したら?」と言われ、それを真に受けて我慢していた。私は「こんなこと言うのごめん!あなたのお母さん間違ってるよ‼︎」と言った。娘が離婚することでの世間体を気にしていたそうだ。

「桜が初めて私のモヤモヤしてた気持ちを肯定してくれた人だった。感謝してる」と言われたけど、今度は私がモヤモヤした。誰から何を言われようと、自分の気持ちがしっかりしていれば惑わされることはない。なぜ私が気持ちを肯定してあげて、逃げてと指示をしなければ、ずっと我慢して行動できなかったんだろうと。

数年後、私の帰国時に、離婚が済んで施設も出ていた友達含めたグループで集まった。友達が元旦那さんのことを「結婚前は優しかった。結婚して子供できたらいきなり変わってきたんだよ」と言った。

その瞬間、誰も返事ができずに気まずい沈黙があった。そこにいた私含め5人の友達は気づいていた。友達の過去の恋愛から、いつも最後はトラブルになるような男性を選んでしまっていたことを。そして相手からも選ばれていたことも。

結婚前の友達と元旦那さんが一緒にいるのを見てきても、2人の会話の至る所に気になる点があったことを知っている。上下関係のような。それを別の友達が指摘したこともある。

妊娠9ヶ月目にして「旦那が終電逃して家から1時間かかる駅まで迎えにきてっていうから今から行ってくる。しんどい」というLINEが送られてきて、なんで行くの?と思ったことがある。「旦那から料理が口に合わなくて作り直して欲しいって言われたから今から作り直す。しんどい」というLINEが送られてきて、なんで作り直すの?と思ったことがある。「タクシーで帰らせればいいじゃん!自分で作らせればいいじゃん!」そんなメッセージがグループLINEで飛び交っていたが、友達がそれを受け止めている様子はなかった。

相手を自分の思い通りにさせることで自分の存在価値を見出す人と、相手の欲求に答えることで自分の存在価値を見出す人。このタイプの2人は惹かれやすい。結婚前から、問題の種はまかれていた。結婚後、その芽は頭を出してどんどん成長していった。それぞれの改善点に気づかないままの2人だったから。

結婚後に見えてきた、それまでは知らなかった相手の問題点は、それまで自分でも知らなかった自分の問題点を見せてくれる。

別の日にまた皆で集まった時、私達は正直に伝えることにした。友達だけではなく、友達を見て育つ子供のことも気になったから。ゆっくりと慎重に、そして冷静に話し始めたら、友達はずっと頷いていた。そして話してくれた。

母子生活支援施設にいた時に自分と似ている境遇の人と出会い、自分が客観的に見えてきたこと。そこで受けたカウンセリングで、なんとなく気づき始めた自分のこと。母親の言う通りに生きてきた自分、父親の言う通りに生きてきた母親を見て育った自分。元旦那さんの機嫌を損ねないように振る舞う自分に疲れていたこと、家庭や部活で暴力や体罰を受けながら育ち実はDV被害者だった元旦那さんのこと。

「今気づいた。本当は私もこうやって自分の素直な気持ちを皆に話したかった。センシティブな事だから言いにくかっただろうに、私にきちんと向き合ってくれてありがとう」と泣いていた。

いろんな友達の関係があると思うけれど、私はただ話を聞いて共感し続けてあげるような関係は好まない。逆に、私に言いたいことがあるのに言えないような関係も作りたくない。大切な友達が苦しんでいるのに、気づいていることを隠しながら関係を続けるなんてできない。

よく「見守る」っていうけれど、黙って何も言わないことではない。必要なことも言えない場合は、相手の反応が怖い時だと思ってる。自分側の問題。そういう怖さは友達関係や夫婦関係に抱いたことはない。言ったことで自分が嫌われるようなことがあったら、それは仕方がないと思っている。我慢して言わない関係よりいい。時期や言葉は十分に考えるけど。

暴力をふるう人が悪いのではなく、暴力をふるう事が悪い。暴力に耐える人が悪いのではなく、暴力に耐える事が悪い。それらの「事」がなぜ身に付いてしまったかを探っていくと、様々な要因が絡み合っている。

「それぞれの心のケアをする重要性を伝えてあげて、自分にも他人にも優しく生きるチャンスがもう一度、与えられる社会であってほしいと願います」友達の言葉です。